Japanese
English
今月の主題 Barrett上皮と食道腺癌
主題症例をみて
Barrett上皮と食道腺癌―主題症例をみて
On Reviewing the Case Reports of Esophageal Adenocarcinoma Arising in Barrett's Esophagus
幕内 博康
1
Hiroyasu Makuuchi
1
1東海大学医学部外科
キーワード:
Barrett食道
,
Barrett食道癌
,
Barrett上皮
,
short segment Barrett's
,
esophagus
Keyword:
Barrett食道
,
Barrett食道癌
,
Barrett上皮
,
short segment Barrett's
,
esophagus
pp.215-217
発行日 1999年2月25日
Published Date 1999/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102960
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はじめに
最近,逆流性食道炎が注目を浴びるようになり,これに伴い,Barrett食道やBarrett食道癌にも関心が持たれるようになってきた.
欧米ではHelicobacter pyloriの感染率の低下とともに,高齢者の白人男性にBarrett食道癌が高率に発生するようになり,食道癌の60~80%が腺癌で占めるまでに至っている.
わが国ではshort segment Barrett's esophagus(以下short Barrett)やpartial Barrett's esophagus (以下partial Barrett)を含めると,その頻度は一般成人の6.0%と決して低くはない1).しかし,Skinnerら2)の定義に合致するBarrett食道(long Barrett)は0.3%にすぎないが,Barrett食道癌の頻度は著しく少なく,全食道癌の3%以下である.わが国の報告例は81例を数える3).
Barrett食道からの癌の発生率については,高いというのが通説であるが,その頻度は0~47%と種々ある4).Barrett食道・Barrett上皮からの発癌は,Bremnerら5)の456例の追跡から,2.4%との報告がある.われわれは40例の経過観察から1例(2.5%)を経験している.
8例のBarrett食道癌報告例をTable1のように集計した.
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