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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の精密検査法
6.部位による工夫(2) ②大彎
Detailed Radiological Examination of the Stomach (6)
長南 明道
1
Akimichi Chonan
1
1仙台市医療センター消化器内科
pp.832-833
発行日 1991年7月25日
Published Date 1991/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102597
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大彎に位置する胃病変のX線精密検査を施行するにあたり,胃体部と胃角部および前庭部に分けて考えてみたい.
1.胃体部大彎
二重造影法による胃体部大彎病変の正面像の描出は,左側臥位が基本である.すなわち,空気量を増量しながら仰臥位から強い第1斜位,左側臥位と体位変換すれば,容易に病変が描出されることが多い.病変が前壁寄りの場合は,やや腹這い(強い腹臥位第2斜位)にすればよい.また,胃体上部ならばやや台を立てる,胃体下部ならば逆に頭低位にするなど,病変の位置に応じて,傾斜を変えながら撮影する.更に,粘膜ひだの間に埋もれている病変を描出するためには,空気は十分に入れる必要がある.その量は個入差が大きく,一概に何mlと言えないが,病変周囲の粘膜ひだが十分離れる程度が適量である.もちろん,病変の深達度をみるためには,少量空気量および多量空気量の写真も撮影しておきたい.特に,圧迫撮影が不可能な胃体上部から中部にかけての病変の深達度診断においては,空気量の多寡による病変の変形の有無をみることが重要であると考えている.バリウムの量も個人差がある.病変がバリウムに埋もれてしまわない程度に少量ずつ追加していくようにしている.
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