画像診断レクチャー
胃粘膜におけるNBI併用拡大内視鏡所見の成り立ちと診断体系(VS classification system)
八尾 建史
1
1福岡大学筑紫病院内視鏡部
pp.1279-1285
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102315
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はじめに
狭帯域光観察(narrow band imaging ; NBI)を拡大内視鏡観察に併用すると,顕微鏡レベルの様々な解剖学的構造が視覚化できる.解剖学的に胃粘膜は腺窩などの凹凸を伴い,幽門腺領域と体部腺領域で正常像が異なるうえに,病変は慢性胃炎を背景とした粘膜に存在することが多く,単純ではない.
内視鏡医にとってNBI併用拡大内視鏡により視覚化された所見が,どの解剖学的構造に対応するかを理解していないと,胃粘膜の拡大内視鏡所見の解析は不可能である.筆者は,拡大内視鏡により視覚化される解剖学的構造を,微小血管構築像(microvascular pattern ; V)と表面微細構造(microsurface pattern ; S)に分けて解析し,一定の診断規準に照らし合わせて診断する診断体系 : VS classification systemを提唱している1).本稿では,その診断体系について概説する.
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