胃と腸 図譜
小腸IFP
松田 圭二
1
,
渡邉 聡明
1
1帝京大学外科
pp.1276-1278
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102314
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1 概念,病態
IFP(inflammatory fibroid polyp)は消化管の粘膜下層に生じる良性の疾患である.組織像は,(1) 病巣が主に粘膜下層に存在,(2) 線維芽細胞や線維結合組織,血管の増生,(3) 好酸球を中心とした炎症細胞浸潤,(4) 小血管周囲の線維性結合組織の同心円状配列(onion skin pattern),などが特徴とされている1).成因は,反応性の炎症性ポリープ説が有力である.発生部位は胃,小腸,大腸の順に多くみられる2).小腸IFPは約70%が回腸末端から150cm以内に発生する3).大きさは3~4cmほどで,有茎ないし亜有茎を呈し,機械的刺激のため表面にびらん,潰瘍を形成し,陰茎亀頭様,ソフトクリーム様などと表現される.腸重積が80%にみられる.
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