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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
小腸
診断
小腸の解剖
Anatomy of the Small-intestine
松田 圭二
1
,
橋口 陽二郎
1
1帝京大学外科
pp.682
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202405
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小腸
小腸は本来,胃幽門輪の肛門側から始まり,回盲弁(Bauhin弁)に終わる6〜7mの中空性器官である1)2).①十二指腸,②空腸,③回腸,の3つの部門に区分される.十二指腸の解剖は別項にて述べられるため,本稿では空腸と回腸の解剖について記述する.
十二指腸は後腹壁に埋まっているが,これが腸間膜をもって腹腔内に表れるところで空腸が始まる3)(Fig.1).空腸,回腸は遊離腸間膜を有しており,可動性に富んでおり,口側40%を空腸,肛門側60%を回腸としている1).腹腔内での位置はさまざまであるが,概ね空腸は左上方,回腸は右下方に位置する2).空腸と回腸ともに上腸間膜動脈によって血液が供給されているため,上腸間膜動脈の根部が閉塞すると空腸から回腸の広い範囲で壊死に陥る.
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