追悼
長與健夫先生を偲ぶ
渡辺 英伸
1,2
1PCL Japan 病理・細胞診センター
2新潟大学
pp.1709-1710
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101508
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“エイシン(英伸)君よ.この症例,この問題どう思うかね”.一泊二日で行われた文部省がん特別研究「消化管癌の発癌形態の研究」班での班会議,その夜の懇親会の席でも膝を乗り出され,当時の私たち若者に対しても目線を同じくされて,一緒に討論してくださった先生のお姿を今も思い出します.福岡県の二日市温泉(大丸別荘),群馬の伊香保温泉,新潟県六日町温泉(龍言)などいろいろな場所で,いろいろな表情の先生を拝見しましたが,根底に“学問を愛するお気持ち”が常に維持されていました.
先生に対する私の印象は“品格のある先生.学問に飽くことなき,童心のような好奇心を持ち続けられた先生”です.おいくつになられても,童心のような学問に対する情熱は衰えることなく,消化管腫瘍の問題点を鋭く指摘し,それを掘り下げるお姿勢に感服していました.“教えてやる.教える”といった姿勢ではなく,目線を同じくして私たちと討論をしてくださいました.
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