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今月の主題 炎症性腸疾患(IBD)の上部消化管病変
序説
炎症性腸疾患(IBD)の上部消化管病変
Introduction
飯田 三雄
1
Mitsuo Iida
1
1九州大学大学院病態機能内科学
キーワード:
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
上部消化管病変
,
画像所見
,
経過
Keyword:
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
上部消化管病変
,
画像所見
,
経過
pp.379-381
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101013
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Crohn病は,1932年にCrohnらがregional ileitisとして報告したことに始まる腸管の慢性炎症性疾患であるが,1949年に初めて胃病変が報告され,上部消化管病変の存在が明らかにされた.その後,欧米では多数の上部消化管病変を有するCrohn病症例が報告されたが,大部分は瘻孔や狭窄などの粗大病変であり,しかも症例報告が中心であったため,上部消化管病変はまれな随伴病変とみなされていた.しかし,1970年代になってCrohn病の胃・十二指腸にアフタ様病変が比較的高率に合併することが欧米から報告された(Beaudinら,1973年;Lauferら,1978年;Ariyamaら,1980年)のに続き,本邦でも内視鏡検査や二重造影法を用いた緻密な診断学の導入により微細な上部消化管病変の実態が明らかとなった(牛尾ら,1982年;田中ら,1983年;八尾ら,1983年).特に,色素撒布法併用の内視鏡検査を用いた八尾らの検討1)では,全例の胃または十二指腸に小病変,微小病変が見い出されており,生検による肉芽腫または肉芽腫様病変の検出率は90%にも及んだ.
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