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今月の主題 切開・剥離法(ESD)時代の胃癌術前診断
序説
切開・剥離法(ESD)時代の胃癌術前診断
Introduction
石黒 信吾
1
Shingo Ishiguro
1
1大阪府立成人病センター病理・細胞診断科
キーワード:
ESD
,
術前診断
,
早期胃癌
,
深達度
,
進展範囲
Keyword:
ESD
,
術前診断
,
早期胃癌
,
深達度
,
進展範囲
pp.727-729
発行日 2005年4月25日
Published Date 2005/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100105
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胃癌治療ガイドラインにて転移の危険が極めて少ない胃癌の特徴が明らかにされた.粘膜内に限局し潰瘍の合併しない分化型癌は大きさにかかわらず,潰瘍合併例でも長径3cmまで,sm1浸潤癌でも長径3cmまでは転移の危険性が極めて少ない.一方,分割切除では局所再発が多く,十分な病理学的検索が難しいことからEMR(endoscopic mucosal resection)の適応は長径2cmまでと定められた.しかし,正確な一括切除を可能としたendoscopic submucosal dissection(ESD)の開発により内視鏡切除術の適応は拡大されつつある.
ESDでは任意の切開線を設定しえるため,病変の形や大きさに応じた一括切除が可能である.しかし,一括切除を施行したにもかかわらず切除断端が陽性になる場合も少なからずあり,その原因は術前診断の誤りである.また深達度診断が難しい症例もあり,ESD時代を迎えた今,胃癌の術前診断はさらに重要になってきた.本主題では最新のモダリティを用いた胃癌の術前診断限界を側方進展範囲診断と深達度診断の両面から追及し,現時点での術前診断の限界を論じるとともに今後の課題を明らかにしたい.
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