Scope
慢性肝炎診療の基本(後編)—診断・治療編
沖田 極
1
,
日野 啓輔
1
,
山口 裕樹
1
1山口大学医学部第一内科
pp.490-495
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910167
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慢性肝炎の診断はどのように行うか?
1.病歴
慢性肝炎の診断において病歴聴取は重要である.家族歴,輸血歴,鍼治療歴などはもちろん必要であるが,鑑別診断のために特に自己免疫疾患を念頭に置いた既往歴,健診歴,飲酒歴,薬剤服用の有無,海外渡航歴,海産物生食の有無などは聴取する必要がある.B型肝炎ではその大半が母子感染であり,家族に受診歴がない場合は,家族の精査も勧める必要がある.また,C型肝炎では感染時年齢が高いものほど進行が速いことが報告されている1).
しかし,いずれの要因が関与しているとしても,ウイルスマーカーから感染が明らかである場合には,少なくとも経過観察が必要であり,多くの場合治療を要する.
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