増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
呼吸器薬
第1世代交感神経刺激薬(ボスミン,メジヘラー・イソ,アロテック)
藤井 一彦
1
,
後藤 英介
1
,
興梠 博次
1
1熊本大学医学部第1内科
pp.152-153
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908991
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呼吸器の薬剤としての交感神経刺激薬はβ2受容体刺激作用による気管支拡張作用を主眼に用いられており,β2受容体選択性の程度により第1世代,第2世代,第3世代に分類される.第1世代交感神経刺激薬は最も早く開発されたが(〜1960年代),α受容体刺激性を多かれ少なかれもっており,β2受容体選択性も高くない.一方,それ以後に開発された第2・第3世代交感神経刺激薬はα受容体刺激性はほとんどなく,世代が進むにつれβ2受容体選択性が強まり,また作用時間も長くなってきている.
第1世代交感神経刺激薬の主な薬剤としてはエピネフリン,イソプロテレノール,オルシプロナリンなどがあり,通常は気管支喘息の発作治療薬(リリーバー)として用いられる.エピネフリンは臨床で用いられた初めての合成β受容体刺激薬であるが,β作用よりはα作用が強く,一般には中等〜重症の気管支喘息発作時に皮下あるいは筋肉内注射薬として使用される.またbrittleasthma,特に比較的安定した状態から,突然予期せぬ重症発作を起こすtype 2のbrittleasthmaとよばれる病型には有効性が高いとされている.
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