増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
各論
肩関節
麻生 暢哉
1
,
上谷 雅孝
2
,
林 邦昭
2
1長崎記念病院放射線科
2長崎大学医学部放射線科
pp.354-359
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908415
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はじめに
肩関節は上腕骨頭(humeral head)と肩甲骨の関節窩(glenoid fossa)から構成される球関節である.肩関節の最大の特徴は,骨頭に対して関節窩が浅く関節の可動域が非常に大きいことである.そのことは逆に関節の安定性に欠けることを意味しており,同じ球関節である股関節と比べてきわめて不安定で脱臼しやすい.関節の安定性を保つため,関節唇や靱帯,筋肉,腱板などの構造物が補強している.
従来,これらの関節,あるいは関節周囲の構造物を評価するために単純X線写真と関節造影が用いられてきた.しかしCT,MRIの発達に伴い,画像診断の適応の範囲が広がっている.特にMRIが診断に果たす役割は大きく,腱板や靱帯,関節唇などの評価に欠かせない検査法となっている.
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