今月の主題 Cognitive Disorder—内科医が知っておくべき認知機能障害
患者管理
在宅診療のコツ
北野 邦孝
1
,
根本 芳枝
1
1松戸神経内科
pp.1380-1381
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908264
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在宅診療は昔の日本では当たり前の地域の医療形態であった.あらためて“在宅”という言葉が使われ始めて,そのうちに日本国中で“在宅,在宅”の大合唱が始まったのはいつ頃からだっただろうか?私は経済学者ではないのでよくわからないが,そのような現象は日本経済が破綻したあの頃と符合するような気がしてならない.障害者の増加もさることながら,高齢社会を迎えて虚弱高齢者の激増の実態はつとに述べられていることなのでここではその統計には触れない.日本の医療・福祉環境のなかで,在宅療養という形態の必然性は十分理解できる.ただ,療養者への主体性抜き,哲学抜き,医療経済優先の“在宅”が,いわば療養者や介護者に押しつけられてはいないだろうかと思うのである.ここで「在宅医療のコツ」を書くに当たって,まずはそのような問題点を指摘したい.
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