今月の主題 Cognitive Disorder—内科医が知っておくべき認知機能障害
cognitive disorderとは
精神科疾患における認知機能障害
兼行 浩史
1
,
渡辺 義文
1
,
山田 通夫
2
1山口大学医学部神経精神医学教室
2国立下関病院
pp.1306-1308
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908243
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ポイント
精神科診断では,横断的な状態像の把握,縦断的な症状経過の聴取,多元的な病態への推察,が重要なコツとなる.
精神分裂病の認知機能障害モデルとして,①意図した行動,自己モニター,他人の意図を推量する能力の障害,②作業記憶の障害,③注意力を結集し適切な課題へと配分する情報処理能力の障害,④精神活動の協調が困難となった認知の測定障害(cognitive dysmetria)などがある.
精神疾患の基盤にある特定の神経回路網の機能障害に対して,脳の可塑性へ働きかける薬物療法および認知・行動療法の技法が洗練されることが期待される.
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