演習 心電図の読み方・8
STの異常(2)—ST低下
近森 大志郎
1
,
山科 章
1
1東京医科大学第2内科
pp.1059-1066
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908188
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Case
症例1:62歳,男性.主訴:胸痛.
既往歴:20年来の糖尿病でインシュリン治療中.
現病歴:1ヵ月半前より階段を上がったり急いで歩いたりすると,胸の中央部を圧迫するような鈍痛を自覚するようになったため,近医にて加療を受けた.胸痛は安静にすると2〜5分で消失し,頻度は週に1回程度であった.ところが,2週間前より軽労作でも前胸部痛が出現するようになり,今回の発作ではニトログリセリンを舌下しても,胸痛が20分以上持続するため救急外来を受診した.
身体所見:血圧132/84mmHg,脈拍80/min.聴診では胸骨右縁第2肋間でLevine 2/6の収縮期駆出性雑音を聴取する.呼吸音に特記すべき異常なし.腹部にて異常所見を認めない.
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