今月の主題 内科医がよく遭遇する血管疾患
末梢動脈疾患
閉塞性動脈硬化症
林 富貴雄
1
1国立循環器病センター内科心臓血管部門
pp.869-871
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906805
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ポイント
●ASOは動脈硬化を基盤に発症する血管疾患であり,近年疾患数は増加傾向にある.診断技術および治療法の進歩とともに,重症虚血肢よりは軽症疾患の増加が目立つ.
●ASOには他の動脈硬化性疾患の合併が多い.治療に当たっては,合併症による臓器障害を常に考慮すべきである.
●APIの測定は簡便で,再現性の高い検査法である.運動負荷と組み合わせれば軽症下肢虚血の診断が可能である.
●同じ動脈硬化性疾患である脳血管障害や虚血性心疾患と比較すると,発症年齢がやや高齢であること,危険因子のなかで喫煙が非常に高率という特徴を認める.
●ASOの長期予後は不良で,予防と早期発見・早期治療が望まれる.
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