今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス
治療を睨んだIBDの臨床診断学
クローン病の画像診断
杉野 吉則
1
,
今井 裕
1
,
日比 紀文
2,3
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
2慶應義塾大学医学部内科
3慶應がんセンター
pp.1486-1490
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905216
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ポイント
●クローン病の画像診断はほぼ確立されており,的確な検査が行われればほぼ確診がつけられる.診断が難しいものとしては,アフタ様病変のみからなる病像や,他の炎症性腸疾患(腸結核や潰瘍性大腸炎など)と紛らわしい病像を呈するものなどである.
●画像検査に際しては,クローン病と診断するだけにとどまらず,病変の罹患範囲や潰瘍の程度を明らかにし,病変の進行度や活動性を知って治療方針を決めたり,治療の効果を判定することが重要である.特に,高度の狭窄や難治性の瘻孔は外科的治療の対象となるので,X線で確実に表さなければならない.
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