増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
MRIで何がわかるか
頭部
小児・新生児の頭部
宇都宮 英綱
1
1福岡大学医学部放射線科
pp.67-77
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904761
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MRIのもつ優れた組織コントラスト分解能は,小児の脳に特有な髄鞘形成過程の評価をも可能にした.また,任意の断層面の撮像により,頭蓋内正中構造の観察も容易となった.さらに,MR angiography(MRA)の進歩により,本来血管造影を施行することが困難な小児期の脳血管障害に対しても,非侵襲的に血管構築の評価を行うことが可能になった.これらのMRIの特徴は,新生児・小児期の中枢神経疾患を診断する際に重要な役判を果たす.
本稿では,臨床上特に重要と思われる,新生児仮死,脳先天奇形,水頭症,神経皮膚症候群,髄鞘形成不全,小児に特有な感染症,および脳血管障害を取り上げ,MRIの利点と診断に果たす役割を述べる.
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