今月の主題 肺炎と肺臓炎
付録
研修医のための抗生物質早分かり
武田 裕子
1
1きぬ医師会病院
pp.2001-2007
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
臨床研修を始めたばかりの研修医にとって,抗生物質の使い方は,最も知りたい事柄の一つである.実際の患者を目の前にすると,学生時代に学んだ微生物学や薬理学の知識をどのように応用すべきか見当がつかず,途方に暮れることが多い.無数の抗生物質のなかからどの薬剤を選ぶかは,個人の経験や施設によってかなり違いがあるようであり,先輩の研修医に尋ねても明確な答えが返ってくることは少ない.知識不足から広域スペクトラム抗生物質が濫用されることも少なくない.
施設によって,あるいは国によって使用できる抗生物質が異なり,細菌の薬剤に対する感受性にも差があることを考えると,抗生物質の選択にはある程度の幅が生じる.ここでは,抗生物質各グループ(表1に分類)の特徴をあげ,そのなかからいくつかの抗生物質を選んで臨床的に重要なポイントを述べた.次に,実際に感染症を疑って抗生物質を投与する際に,考えなくてはならない7つのチェック項目をあげた.最後に,多剤耐性菌の出現や院内感染を防ぐために留意すべき問題を取り上げた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.