今月の主題 循環器薬の使い方 1997
循環器薬はどの病態の予後を改善するか
抗高脂血症薬
嶋津 伸子
1
,
寺本 民生
2
1東京都老人医療センター
2帝京大学医学部附属病院内科
pp.1487-1489
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904624
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ポイント
●高コレステロール血症が冠動脈性疾患の危険因子であることが,大規模な疫学的調査で明らかにされてきた.
●スタチン系薬剤による高脂血症治療が,虚血性心疾患の予防のみならず死亡率の減少をももたらすことが,最近の脂質介入試験にて報告されている.
●フィブラート系薬剤による高脂血症治療は,高トリグリセライド血症の低下とHDL-Cの上昇により顕著な動脈硬化予防効果を示す.
●酸化LDLが動脈硬化の初期病変に深く関与していることが推定されている.
●抗酸化作用を持つプロブコールは,動物実験では抗動脈硬化作用を認めるが,ヒトにおいてはその有用性を表す報告は少ない.
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