今月の主題 呼吸器疾患の画像診断
胸部X線写真
胸水貯留—明らかな肺野病変なし
粟井 和夫
1
,
藤川 光一
1
,
関口 善孝
2
1広島総合病院画像診断部
2広島総合病院内科
pp.1769-1774
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903841
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ポイント
●立位の胸部単純X線写真における最も基本的な胸水貯留の所見は,肋骨横隔膜角の鈍化およびmeniscus arcである.
●X線上,肺野に明らかな病変が認められないにもかかわらず胸水が貯留している場合,まず心拡大の有無をチェックする.
●胸水貯留に心拡大を伴う場合は,まず心不全を疑う.心不全は肺水腫を伴うが,間質性肺水腫の場合,一見,正常肺のようにみえることがあるので,以前に撮影されたフィルムと比較することが重要である.
●心拡大がなく,慢性・再発性の胸水貯留が認められる場合は,結核性胸膜炎がまず疑われる.
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