今月の主題 不整脈診療のための心電図の見方
安静時標準12誘導心電図からみた不整脈診断
デルタ波によるKent束局在診断—WPW症候群への診断のアプローチ
畔上 幸司
1
,
佐竹 修太郎
1
1横浜赤十字病院循環器科
pp.881-883
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903635
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ポイント
●Kent束を通過する興奮前面は伝導遅延なしに房室伝導するため,心室筋の局所的な早期興奮をきたし,ここに12誘導心電図上デルタ波を形成する.
●Kent東の局在部位により,デルタ波あるいはQRS波形の極性に一定の傾向が生じる.V1誘導がR型のものは左側の,rS型のものは右側Kent束を示唆し,III,aVF誘導のデルタ波が陽性のものは前方の,陰性のものは後方のKent束を意味する.
●高周波カテーテルアブレーションの普及により,12誘導心電図による正確なKent束局在診断の重要性が増してきており,新たな分類法が提唱されつつある.
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