発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017355981
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症例は40代女性で、以前から時折動悸を自覚しており、最近、頻度と持続時間が増加してきた。かかりつけ医にて発作性上室性頻拍と診断され、カテーテルアブレーション目的で当科紹介となった。治療に先立ち心臓電気生理検査(EPS)を施行し、僧幅弁輪の左室前側壁に存在するKent束によるorthodromic typeの房室回帰性頻拍が疑われた。心室ペーシング下にアブレーションカテーテルを経大動脈アプローチにて僧帽弁下に到達させ、3Dマッピングシステムでマッピングを行った。その後、isoproterenolを約0.005mg投与し心拍数を100/分にしたうえでEPSを再度施行した。右房期外刺激でjump up現象を認めずslow pathwayの存在は否定的、右房頻回刺激でも頻拍が誘発されなかった。また、室房(VA)block成立の30分後に心室刺激を行い、VA伝導を認めないことを確認し手技を終了した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017