今月の主題 First-line検査
異常症状からみたFirst-line検査
肝腫大
為田 靱彦
1
,
小坂 義種
1
1三重大学医学部臨床検査医学
pp.734-737
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902686
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ポイント
●患者の診察に際しては,肝腫大の存在の有無を慎重な腹部打診・触診にて把握するよう心掛ける.
●ほとんどの肝疾患で肝腫大をきたし,硬度の増強は肝の線維化の程度を反映している.
また,急性肝炎や肝硬変の肝萎縮は予後不良徴候である.●肝疾患のうち,特にアルコールに起因するものでは,肝腫大の程度は強く,硬度も増強していることが多い.
●著明な肝腫大,特に慢性肝疾患の経過中にみられる肝腫大の増強は,肝悪性腫瘍を疑わせる所見である.
●肝・胆道疾患以外で肝腫大をきたす疾患として,心不全,コントロール不良の糖尿病,先天性の代謝異常などがある.
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