今月の主題 高血圧治療の実際と新たな展開
特殊な高血圧の治療
高血圧患者における手術前の血圧管理
菊池 健次郎
1
,
沢井 仁郎
1
,
滝沢 英毅
1
,
石黒 俊哉
1
1札幌医科大学・第2内科
pp.2130-2132
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901277
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●手術前の高血圧管理の要点
高血圧患者が各種合併症の治療や二次性高血圧の根治治療として外科手術を必要とすることは少なくない.その際の術前の高血圧管理の原則,要点をまとめると以下のごとくなる1).①降圧治療は手術直前まで適切かつ十分に行う.②術者と打ち合わせ,術前の術式,手術侵襲の程度などを把握しておく.③その上で合併症の種類,程度,病態の特徴などを総合し,最適な降圧薬を選定,コントロールすべき血圧レベルを設定する.④手術前に使用していた降圧薬の種類,投与量.至適血圧レベルを外科医,麻酔医に伝達する.⑤術中,術後,殊に経口投与不可能症例に使用すべき降圧薬の種類,投与経路,投与方法を術前に外科医,麻酔医と相談し決定しておく.このような方法で血圧をコントロールすれば術中,術後も安全に高血圧管理を行うことができる.
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