増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
腹部エコー法
疾患と腹部エコー図異常
膵疾患—癌
跡見 裕
1
1東京大学医学部・第1外科
pp.388-392
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901175
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●検査の手順
膵の描出には膵周囲臓器,とくに血管系との解剖学的位置関係を十分に理解しておくことが重要である.
走査は仰臥位で十分な深吸気時に心窩部で始める.心窩部横走査はやや斜めに左上がりとなる.横走査に加えて,縦走査により膵の全体像を得るようにする.膵頭部の腹側面に胃十二指腸動脈,背側には総胆管の末梢が描出される.膵鉤部は上腸間膜動脈よりさらに脾側にまで達することもあり,完全な描出には下大静脈上での縦走査や,上腸間膜動静脈や左腎静脈を指標とした横走査を丹念に行う(図1).
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