今月の主題 糖尿病診療の実際
合併症への対応
糖尿病性網膜症への対応
高塚 忠宏
1
1虎の門病院・眼科
pp.808-810
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900866
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以前,東京大学・第3内科が行った約2,500名の糖尿病症例の網膜症発生率に関する調査では,糖尿病歴5年で約15%の症例に,そして糖尿病歴10年では約50%の症例に毛細血管瘤の発生が認められ,さらに,この時期に徹底した血糖の管理,ならびに体重の管理が行われた症例では,その後10年間で網膜症の進行する確率は約7%ときわめて低く押さえられたと報告1)している.
このように,糖尿病性網膜症は,糖尿病発症後に厳密な血糖管理が行われている症例では発生頻度が低い疾患であるが,その一方で,いい加減な血糖管理下にあっては増殖性糖尿病性網膜症から失明に至る疾患である.
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