特集 内科医が遭遇する皮膚疾患フロントライン—「皮疹」は現場で起きている!
実践ケーススタディ よく遭遇する皮膚の困りゴト
全身が赤くなった—薬剤中止後も遷延する発熱と皮疹
水野 雄斗
1
,
渡邉 裕子
1
,
山口 由衣
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学
pp.2037-2041
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229265
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症例情報 60代女性.三叉神経痛に対して,カルバマゼピン(テグレトール®)の内服を開始した.その4週間後より,38℃台の発熱と腹部の紅斑が出現し,四肢体幹に拡大した.カルバマゼピンを中止したが,薬剤中止後も発熱が持続し皮疹が増悪するため,総合病院へ紹介となった.
初診時現症:体温38.5℃.顔面の浮腫と紅斑を認め,眼囲は蒼白であった(図1a).四肢体幹におろし金状のざらざらした紅斑を認めた(図1b,c).紅斑は癒合傾向を示し,一部紫斑が混じていた.皮膚に瘙痒や疼痛などの自覚症状なし.眼球結膜に軽度充血あり.口腔内や陰部にびらんや水疱形成なし.血液検査の結果は以下の通り.
検査値 WBC 12,700/μL(neu 47%,lymph 29.5%,aty-lym 15%,mono 7.0%,eos 16.5%,baso 0%),RBC 319×104/μL,Hb 13g/dL,plt 37.2×104/μL.TP 4.9g/dL,Alb 3.1g/dL,AST 74U/L,ALT 256U/L,ALP 509U/L,γ-GT 662U/L,総ビリルビン1.8mg/dL,直接ビリルビン1.0mg/dL,BUN 21mg/dL,Cr 0.42mg/dL,LDH 437U/L.
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