特集 ミミッカー症例からいかに学ぶか
扉
綿貫 聡
1,2
1東京都立病院機構東京都立多摩総合医療センター救急・総合診療科
2東京都立病院機構東京都立多摩総合医療センター医療安全対策室
pp.1570-1571
発行日 2023年9月10日
Published Date 2023/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229114
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今回は「ミミッカー症例からいかに学ぶか」のタイトルで特集を組ませていただいた.経験を積んだ臨床医であれば,臨床現場で診断に困難さを感じた経験があるのではないだろうか.今回の特集では,医療現場でのミミッカー症例の経験と振り返りを共有し,臨床医の診断の質の向上,診断エクセレンス(diagnostic excellence)につなげていくことを目的としている.
Mimicker(ミミッカー)はmimic(まねる)という動詞から派生した用語であり,医療現場においては症状や経過,臨床所見が似ている疾患群のことをミミッカーと呼ぶことがある.正しい診断をつけるためには,疾患の典型像を認識しているだけでは足りない部分が確実に存在する.非典型な病像のパターンを含めて疾患スクリプト(illness script)を広げていくことは診断推論に熟達するうえで有用な方略である.
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