特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか?
扉
渡邉 純一
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1TMGあさか医療センター血液内科
pp.2100-2101
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227935
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本特集のコンセプトは,「増加する血液疾患患者を血液専門医とプライマリ・ケア医,一般内科医がいかに連携し,診療をどのように行っていくか」です.昨今の医療の進歩は疾病に苦しむ患者の予後を改善しています.血液疾患でも,慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬の出現は3年前後の生存期間を10年生存率80%の疾患にし,延命ができなかった多発性骨髄腫もボルテゾミブ以降のさまざまな新薬により長期生存が可能な疾患になりました.支持療法の進歩は合併症治療の成績を改善し,治療可能な年齢を引き上げています.さまざまな治療の進歩により多数の患者が恩恵を受けており,医療が必要な患者数は増大し続けています.一方で,血液専門医の増加は一定数にとどまっており,専門医の負担は明らかに増大傾向です.このままでは治療を受けられるはずの患者が専門医の負担の増大により,治療を受けられなくなる可能性もあります.
それを防ぐためにできることとして,いかに血液専門医とプライマリ・ケア医が連携し,血液疾患の患者を協力して診ていけるかが重要と考えています.
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