特集 患者満足度の高い便秘診療
扉
中島 淳
1
1横浜市立大学医学部 肝胆膵消化器病学
pp.1409
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227114
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超高齢社会を背景に,便秘患者が著増しているのは周知の事実である.また,内科のみならずどの診療科でも便秘は問題となるが,その診断や治療は医学部はもとより卒後教育でもほとんど学ぶ機会がなく,ただ下剤を処方するだけのきわめて質の低い治療であった.特に,刺激性下剤の適正使用の逸脱は,目を覆うばかりの現状である.
これは長らくわが国では便秘の治療薬があまりなかったことによるが,近年新薬が続々と登場して先進国並みになり,治療薬の選択肢が増えたという点では改善したと言ってよいだろう.しかし,多種多様な新薬をどう使い分けるか,また便秘の重症度や病型をどう診断するのかなど,まだまだ課題は多い.
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