書評
—松田能宣,山口 崇 編—これからはじめる—非がん患者の緩和ケア
木澤 義之
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1神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科
pp.1357
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227101
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緩和ケアは,疾患を問わず,命を脅かす「重篤な状態」にある患者と家族が,必要に応じていつでも,どこでも受けることができる医療である.しかしながらわが国ではがんを中心に提供されており,まだがん以外の領域で十分に行われているとは言えない.
本書は松田能宣先生,山口 崇先生という2名の,臨床・研究・教育の力のバランスが取れた素晴らしい緩和医療専門医が編集した,がん以外の疾患に対する緩和ケアの入門書であり実践書である.私達が臨床で出会うことが多い心不全,COPD,CKD,肝硬変,認知症,神経難病についてそれぞれの領域の専門診療+緩和ケアを実践している医師が執筆している.しかも,すべての項目で予後予測とアドバンス・ケア・プランニング,そしてソーシャルサポートの方法が書かれており,この3点は日常診療の質の向上に有用だろう.
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