書評
—徳田 安春 著—《ジェネラリストBOOKS》—病歴と身体所見の診断学—検査なしでここまでわかる
中西 重清
1
1中西内科
pp.1475
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225775
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クリニックの外来に備えておくべき必読書が出版されました.これを読破し目の前の患者さんに応用すれば,日常診療のコモンな症候に対して,検査なしで診断に迫れます.開業医も高齢化が進んでおり,読みやすい(文字が大きい),わかりやすい,患者さんに簡単に応用できる臨床本が必要です.ある症候に遭遇した際に,診断の肝(キモ)である病歴を聴取し身体診察を行い,陽性と陰性所見を数値化し,それを合算して,診断の確からしさを導き出します.数値が高ければ,診断の確からしさ(検査後確率)が高まり,検査は確認するだけの作業になります.検査偏重の自分から脱却できるかもしれません.例えば熱があるから条件反射的にインフルエンザ迅速検査,CRP検査を行う必要がなくなり,疾患の確率を考えて検査する医師に変貌できます.
第1章では,徳田安春先生と上田剛士先生の熱い思いが語られています.お二人とも「21世紀適々斎塾」(大阪開催)の理事であり,臨床推論の達人です.この本と上田先生執筆の『ジェネラリストのための内科診断リファレンス』(医学書院,2014)があれば,開業医にとっては鬼に金棒でしょう.
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