特集 おさらい腎疾患—明日から役立つアプローチの基本
扉
安田 隆
1
1吉祥寺あさひ病院内科
pp.191
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224583
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多くの先生から「腎臓は難しい」と言われます.私も学生時代には腎臓の講義をまったく理解できませんでした.その後,腎臓を専門に診療していくにしたがって,それぞれの疾患概念の難解さや,生理学などの基礎と実際の臨床とがうまくかみ合っていない点など,腎疾患診療を行う際にも,また若手を教育する際にも多くの問題点があることに気づきました.
近年,腎機能障害や蛋白尿を有することが末期腎不全への進行ばかりでなく,心血管障害の発症や生命予後と関連することが明らかとなりました.さらに,このような異常を有する症例が膨大な数に上ることが明らかとなり,腎疾患の診療は一般医家にとって避けて通れないものとなってきています.加えて,「慢性腎臓病(CKD)」や「急性腎障害(AKI)」といった新しい疾患概念が登場しています.これらは誰でも容易に理解できる疾患概念となっていますが,実際にどのように診療で使いこなせばよいのか,という点についてはまだまだ十分には理解されていないと思います.
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