特集 内分泌疾患を診きわめる
扉
田上 哲也
1
1京都医療センター内分泌・代謝内科
pp.2071
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224487
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“内分泌は難しい?” できたら避けて通りたいというのが本音かもしれない.しかし,昨今の生活習慣病に関する多くの診療ガイドラインでは,まず続発性・内分泌性の疾患を否定してから治療に進まなければならないことになっている.少なくともスクリーニングアウトの方法は知っておく必要があるのだ.「とりあえず薬を出しておこう」,はなから「専門医に任せよう」と言ってはいられない.もちろん,対症療法と鑑別診断が同時進行であっても構わない.しかし,まず疑わないことには,たとえ専門医といえども,正しい診断はできない.
“内分泌は面白い!” 海堂尊氏の小説に「不定愁訴外来」という診察室が出てくる.そこを訪れる患者の一部は内分泌疾患が原因かもしれない.ホルモン異常による疾患には不定愁訴と一蹴されがちな症状も少なくないが,必ずヒントとなる特徴的な症候が潜んでいる.それを手掛かりに鑑別を進め,確定診断に至ったとき,医師だけでなく患者・家族にとっても感激はひとしおである.
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