特集 内科医がになう骨粗鬆症—診療と生活指導の最新情報
扉
鈴木 敦詞
1
1藤田保健衛生大学医学部内分泌・代謝内科学
pp.403
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223978
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超高齢社会の進展とともに,筋骨格系の健康を保つことが要介護・要支援を予防するうえで重要になってきました.骨粗鬆症は,かつては単なる老化現象と考えられてもいましたが,現在では臨床的骨折というイベントを引き起こす基礎疾患であるととらえられています.約1,200万人といわれる骨粗鬆症患者に対して,日常臨床の現場で何を考え,何をしなければならないのか? 特に他に慢性疾患を有する場合に,治療の優先順位や疾患の相互作用をどのように評価するのかは,臨床医として常に考えなければならない問題です.そのため,本特集では,続発性骨粗鬆症(疾患関連骨粗鬆症)にも重点を置き,複合疾患に対処する内科医の先生方のお役に立てるように企画を考えました.
2015年に骨粗鬆症予防と治療のガイドラインが改訂されました.その中で,診断と治療について,21世紀に大きな進歩があり,骨折予防治療が現実のものとなったことが確認されました.一方,健診率の低さに代表される一次骨折予防の難しさ,また骨折後でも施設間を移動する間にいつの間にか治療から脱落してしまう二次骨折予防の効率の悪さが問題となっています.そのため,最近では,骨粗鬆症リエゾンサービスのような,診療支援の仕組みも開始され,より効率的かつ効果的な慢性疾患管理への指向性が強まってきています.診療支援を具体化するためには,チーム医療の中で多職種の専門性を発揮していただかなければなりません.多忙をきわめる臨床の現場で,効率的かつ効果的に患者指導を行うための記事もお願いしました.
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