今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate
糖尿病の病態・成因
新しいWHOの糖尿病分類と問題点
金澤 康徳
1
1自治医科大学・大宮医療センター
pp.900-901
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222487
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診療の際にインスリンを使用するか,食事療法・運動療法のみまたは経口血糖降下剤を加えるかの選択は患者の臨床状況から判断するのが通常であって,該患者がどの分類に属するからというのが選択基準になることはない.しかし,糖尿病の原因が多岐にわたることが理解され,糖尿病が一種の症候群と考えられるようになった今日,複雑な患者集団を分類し,いくつかのパターンに当てはめることは糖尿病への理解を深めるとともに,疫学的研究を通してその病因,発生因子に迫ることも可能であり,大変有用と思われる.他方分類が適切でない場合には,逆に糖尿病に対する理解に誤りが生じ,混乱を招くのでこの分類については十分な注意を要する.
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