増刊号 診断基準とその使い方
I.循環器
9.ショック
木全 心一
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所・内科
pp.1702
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221865
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■病態生理
循環系は,ほぼclosedである.この循環系は,収縮を繰り返す心臓,各臓器へ行き渡っている脈管系,そしてその中にある血液から成り立っている.心臓の収縮性が低下し,血液が十分に駆出できないと,末梢動脈の収縮で血圧を維持しようとするが,限界があり,ショックに陥って行く.これが心原性ショックで次の項で説明する.
心臓が拍出した血液を,一定の緊張で収縮している末梢動脈が受け止めるので血圧を生ずる.これが,精神的ショックで急に拡張すると,血圧が低下しショック状態となる.胸水,腹水が血管系を外から圧迫して小さくしていたのを,突然取り除くと,同じくショックとなる.
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