臨時増刊特集 図解 診療基本手技
Ⅲ 救急手技
A 救急蘇生法
33.除細動
高尾 信廣
1
1心臓血管研究所附属病院・循環器内科
pp.2315-2317
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220692
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ここでは電気的除細動法を中心に述べる.心臓に強い電流を短時間流すと,心臓全体が同時に脱分極を起こし収縮する.そしてこれにより再分極の位相がそろい,正常の興奮生成および伝導が開始される.特にリエントリー機序により生じる不整脈に対して電気的除細動は有効である.除細動という訳語にはdefibrillationとcardioversionの両方の意味があり,心室細動(Vf)に対してはdefibrillationが,それ以外の不整脈に対してはcardioversionが使用される.その相違は通電時期がQRS complexと同期(通常R波同期)しているか否かにより区別され,cardioversionは同期しており,通電時期が受攻期vulnerable phaseにかからないようになっている(図1).適応と禁忌を表1に掲げる.
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