今月の主題 内科医のための小児診療のコツ
Editorial
小児診療の特殊性
松尾 宣武
1
1慶応義塾大学医学部・小児科
pp.1304-1305
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220468
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子供は大人のミニチュアではないといわれるように,小児科診療は内科診療の亜型ではない.両者は全く別個のものといっても言い過ぎでない.しかし,小児科診療の相当な部分は,内科医や,小児科を専門としない一般実地医家の手に委ねられているのが,わが国の実態である.小児の時間外診療(その大部分は真の救急医療ではない),乳幼児健診,校医としての活動などもその例外ではなく,小児科医以外の医師の助力なしに,これらの業務を遂行することは困難と思われる.
そこで,今回の特集では,当直などで小児科の患者を診る機会のある内科系研修医や勤務医,乳幼児健診,学校検診に従事する機会のある実地医家,を主たる読者対象に想定し,小児診療の特殊性,救急外来における小児科診療,学校検診の事後処置,思春期の異常の4つのトピックスをとりあげ,優れた臨床医として定評の高い先生方に,実地的立場から,解説をお願いした.読者諸兄姉の明日の診療に有益であることを期待したい.
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