今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
水電解質異常の臨床—アプローチと症候治療
Hyperosmolar syndrome
丸茂 文昭
1
1北里大学医学部・内科
pp.812-814
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220350
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ヒト血漿の浸透圧(Posm)は,
Posm(mOsm/L)PNa×2+BUN(mg/dl)/2.8+glucose(mg/dl)/18+他の塩類(mg/dl)-10…1)で与えられるが,一般的には,
Posm=PNa×2+BUN/2.8+glucose/18……2)として考えられ,283±11mOsm/Lが正常とされている.高浸透圧症候群(hyperosmotic syndrome)は,この血漿浸透圧を構成する要素のいずれかが上昇した時,あるいは諸物質の溶媒である水分の著しい欠乏のあった時に発症する.1)式をみて一目瞭然であるがごとく,Naの相対的過剰によって起こることが最も多く,高Na血症がほとんどである.しかし,図1に示すように他の要因についても考慮する必要がある.
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