今月の主題 消化器薬の使い方
便通異常
下痢と便秘の治療薬の使い方
河野 実
1
1横浜船員保険病院
pp.624-627
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220311
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
A.止痢剤の使い方
下痢はいうまでもなく人体の防御機構の一現象であって,ただ止めればよいというわけではない.逆にさらに下痢させて,体内有害物質を早く排除させたほうがよい場合も少なくない.抗菌剤の出現以前に,赤痢に対してまず窮利塩で下痢させたことは正しかったと思う.また,急激に止めて危険なことも少なからずある.潰瘍性大腸炎にアヘンチンキを用いてtoxic mega-colonを誘発するのも,その1例である.止痢剤の使用にあたってはその原因を究明することが先決問題であるが,これの選択にあたってはその作用機序を理解しておく必要がある.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.