今月の主題 止血機構とその異常
止血機構—本主題理解のために
池田 康夫
1
1慶応義塾大学医学部付属病院・輸血センター
pp.194-198
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220203
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血管が損傷を受けると血液は血管外に失われるが,生体は止血機構という仕組みによりそれを最少限にとどめようとする.止血機構の破綻がしばしば致命的な出血を引き起こし,ときには患者を死に至らしめる.出血性疾患の病態を理解し,正しい治療を行うために止血機構を十分に知っておく必要がある.
止血機構は,血管壁,血小板,血液凝固,線維素溶解現象(線溶)の4本柱が互いに協力しあって進む複雑な生体反応であるが,このうち血液凝固,線溶の領域で最近輝かしい研究の成果があり,それらをふまえ,以下止血機構を概説したい.
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