今月の主題 免疫反応と臓器疾患
免疫複合体によって起こる疾患
血清病
杉崎 徹三
1
1昭和大学医学部・第1内科
pp.850-851
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219754
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血清病は異種蛋白や異種血清(場合によっては同種でも)の注射により発症するもので,その多くは破傷風,狂犬病,ジフテリア,蛇咬症,ボツリヌス,ガス壊疽,肺炎球菌などの感染症に対する抗血清(現在では主にボツリヌス,ガス壊疽,狂犬病,蛇咬傷に用いられている),移植の拒絶反応の予防として抗リンパ球抗体,免疫補充療法としてIgA欠損症に用いられる際や,クリオグロブリン血症の際に認められる.
また血清病様反応は非蛋白薬剤(ペニシリン,サルファ剤,ストレプトマイシン,サイオウラシル,ヒダントイン,P-サルチル酸,フェニールブタゾン,胆嚢造影剤,サイアザイド)やワクチン,昆虫毒(ハチなど),アレルゲン抽出物,ホルモン,酵素などの投与によっても起こることがある.
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