今月の主題 筋疾患とその周辺
基礎知識
筋疾患の分類
小口 喜三夫
1
1国立長野病院
pp.202-205
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219604
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臨床的に筋力低下と筋萎縮を呈するときは筋の障害があると考えられる,この場合には神経の障害により2次的に筋が障害される神経原性障害,神経筋接合部の障害,筋自体の病変による筋原性障害があげられる.一般に筋疾患という場合は筋原性障害を意味し,ミオパチーといわれる.しかしミオパチーの中に神経筋接合部の障害を入れる場合もあり,ミオパチーの定義が決まっていないため,分類について衆目の一致するものはないといわざるをえない状態にある.その中で一般的に使用されているものに,Rowland(1964)の分類(表1)がある.1964年以後種々のミオパチーが報告されているので,現在ではやや時代遅れの感があるが,ミオパチーの何たるかを理解するには簡単な分類で便利である.最近の分類では1967年カナダのモントリオールの会合で,各国からの案により設定された分類をふまえたものに里吉(1978)の分類があり,よくまとめられて理解しやすい.大分類を表2にあげる.各項目についてさらにくわしく述べている.Walton(1981)の分類は9項の大項目をあげ,それについてさらに中小分類に分け,1978年までの報告のミオパチーを含み,文献もついているので,症例のくわしい検討の際には大変役にたつ(表3).
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