講座 図解病態のしくみ びまん性肺疾患・4
胸部X線所見のとらえ方—実質病変,間質病変,気道病変,血管病変のX線所見,実質病変
赤柴 恒人
1
,
堀江 孝至
1
Tsuneto Akashiba
1
,
Takashi Horie
1
1日本大学医学部・第1内科
pp.733-740
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今まで3回の解説で,びまん性肺疾患の肺機能異常の特徴について述べてきた.個々の症例に接したとき,確診に近づき,また障害の程度を判定するうえで,たしかに肺機能検査法は有用である.しかし肺機能検査成績だけで判断することはしばしば困難であり,また誤診のもとになりかねない.種々の症状を訴えて来院する患者へのアプローチとして最も基本となるのは,胸部X線の注意深い読影であり,加えて機能検査成績や必要に応じて行われる生検組織所見をあわせて総合的に判断することが必要である.
今回は胸部X線所見のとらえ方について解説するが,その詳細は文献にあげた成書を参考にしていただきたい.ここでは機能検査の解説のときと同じ疾患分類に沿って症例を提示しながら述べていくが,限局的に陰影を呈するものや,縦隔,胸膜などの病変は含まれていないことをご了解いただきたい.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.