臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VII.腎疾患
新しい治療法,新しい薬剤
146.血液濾過法とその適応
岸本 武利
1
Taketoshi Kishimoto
1
1大阪市立大学医学部・泌尿器科
pp.2412-2413
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218687
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血液濾過法(hemofiltration,以下HFと略)は,血液透析(hemodialysis,以下HDと略)と比べて溶質除去のパターンが腎の糸球体濾過機能により近似しているため,生理的な血液浄化法が可能となり,血液浄化に伴う副作用が少なく,長期臨床効果もHDより優れていると報告されている.すなわち,HFはHDと比べて短期効果では除水能に優れ,かつ除水に伴う低血圧などの症状発現が少ないこと,および不均衡症候群の発現が少ないことから無症候性治療が可能である.長期効果としては,慢性腎不全に伴う種々の代謝障害の改善および合併症の改善が報告されており,HDより優れた長期効果が期待される.
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