今月の主題 実地医に必要な臨床検査のベース
成績管理
日医精度管理調査の歩み
藤沢 正輝
1
,
舩山 玲子
2
Masateru Fujisawa
1
,
Reiko Funayama
2
1前日本医師会
2日本医師会病院課
pp.1406-1408
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217875
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医師は問診・診察および臨床検査によって,患者からその必要とする多くの情報を収集する.ここでとくに大切なことは,これらの情報を総合的に評価し,診断・治療方針の決定,経過の観察,予後の判定および治療効果の確認に役立てるということであり,この場合,客観的かつ科学的な情報の提供源となる臨床検査が重要視されるのである.また,医療の概念は疾病を対象としたcareの概念から健康を目指したcareの概念へと進んでおり,早期発見・早期治療のみならず,積極的健康づくりと建設的医療が国民の間で認識されつつあり,臨床検査の役割も予防を目的としたものが要求されるに至っている.
臨床検査の成績は常に一定の正確度と精密度を保持しなければならず,検査成績の誤差を検討し,それらを最小限に止めるよう管理する「精度管理」が必要となる.とくに多量の検休を短時間で処理するに当たって,検査の簡易化・迅速化のみならず,正確性と再現性の維持が要求されており,臨床検査の精度向上が望まれている.
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