今月の主題 カルシウム代謝の基礎と臨床
カルシウム代謝とその調節
腸管とカルシウム
森内 幸子
1
Sachiko Moriuchi
1
1日本女子大学家政学部・食物学科
pp.1188-1189
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217828
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生体内におけるカルシゥム(Ca)代謝とその調節は,摂取するCaと排泄されるCaのバランスの調節を介して行われるということができる.Caバランスに直接に関与する器官として,骨,腎臓,腸管や筋肉などがあげられるが,これらの中で,腸管は食物として摂取するCaを吸収する第一の関門となっている.
腸管におけるCa吸収の過程は,生体のニードに応じて変化するように,種々の因子によって調節されている.一方,食事として摂取されたCaの一部は,腸管において吸収されずに,腸管から分泌されるCaや脱落する吸収上皮細胞に含まれるCaなどの内因性Caとともに糞中に排泄されるが,内因性Caの排泄は生体のニードに依存した調節を受けずに,毎日,一定量のCaが失われていく.
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