今月の主題 甲状腺疾患診療の進歩
原発性甲状腺機能低下症
治療—クレチン症,小児型
中島 博徳
1
Hironori NAKAJIMA
1
1千葉大学医学部・小児科
pp.728-729
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216521
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
小児の甲状腺機能低下症の大部分は先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)であり,種々の病型があるが,その治療法は甲状腺ホルモン補充療法である.近来,新生児マス・スクリーニングによって早期発見される症例が多くなり,補充療法を改めて検討する必要が生じた.
小児の低下症には後天性のものもあるが稀である.従来,特発性若年性粘液水腫として知られているものは,ほとんど慢性甲状腺炎に引き続いて起こったものと考えられ,このほか131I,ヨード,抗甲状腺剤などによる医原性のものがあるが,これもまた稀である.その治療法は甲状腺ホルモン補充療法であることに変わりはない.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.