演習・放射線診断学 CTスキャン読影のコツ・10
腎臓
八代 直文
1
Naobumi YASHIRO
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.580-588
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216491
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はじめに
正常腎実質は,水溶性造影剤の静脈内投与によって濃染するため,腎のCTでは,他の腹部実質臓器に比して,より小さな病変を捉え得る可能性が高い.また,CT像は横断断層像であるため,他の検査法では知ることの困難な,腎病変部と周囲構造物との関係を容易に知ることができる.本稿では,第3世代CT装置を使用して描出できる腎および腎周囲構造物の正常解剖と,腎CTの検査手技について最初に略述する.次に,臨床上遭遇する機会の多い腎単純嚢胞と他の病変との鑑別について述べ,最後に,腎腫瘍性疾患に対するCTの役割について考察する.
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